ワールドカップブラジル大会開幕! 過去の大会を振り返るの巻(後編)

   

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前回は1930年から1974年まで振り返りましたが、今回は1978年から2010年まで。

1978年 アルゼンチン大会

オランダは前回中心選手だったヨハン・クライフ不在の中、決勝まで進出したが、開催国アルゼンチンに決勝で敗れる。アルゼンチンはこれまではラフプレーで有名だったが、この大会からブラジルのような攻撃的でクリーンなスタイルに変更。若手を多く起用し、チームの変革が行われた。

ちなみに、3位に終わったブラジルにはジーコ、1次リーグで敗退したフランスにはプラティニがいた。

決勝戦 1978年6月25日 会場:エスタディオ・モヌメンタル

アルゼンチン 3-1 オランダ
37′ ケンペス
104′ ケンペス
115′ ベルトーニ
  82′ ナニンガ

順位

優勝:アルゼンチン
準優勝:オランダ
3位:ブラジル
4位:イタリア

得点ランキング

1. マリオ・ケンペス(アルゼンチン)6得点
2. ロブ・レンセンブリンク(オランダ)5得点
2. テオフィロ・クビジャス(ペルー)5得点
4. ハンス・クランクル(オーストリア)4得点
4. レオポルド・ルケ(アルゼンチン)4得点
6. カール=ハインツ・ルンメニゲ(西ドイツ)3得点
6. パオロ・ロッシ(イタリア)3得点
6. ヨニー・レップ(オランダ)3得点
6. ディルセウ(ブラジル)3得点
6. ロベルト・ディナミテ(ブラジル)3得点

1982年 スペイン大会

パオロ・ロッシの活躍でイタリアが優勝。得点王もパオロ・ロッシが獲得。

フランスはミシェル・プラティニ、アラン・ジレス、ジャン・ティガナ、ベルナール・ジャンジーニの最強の中盤を揃えて臨んだが、準決勝で西ドイツ相手にPK戦までもつれこんだが敗退。3位決定戦でもポーランドに敗れ4位に終わる。ブラジルも黄金のカルテットと言われたジーコ、ファルカン、ソクラテス、トニーニョ・セレーゾの4人が中盤に名をそろえ優勝候補だったが、2次リーグでイタリアのパオロ・ロッシにハットトリックを決められ2次リーグ敗退。

決勝戦 1982年7月11日 会場:サンティアゴ・ベルナベウ

イタリア 3-1 西ドイツ
57′ ロッシ
69′ タルデッリ
81′ アルトベッリ
  83′ ブライトンー

順位

優勝:イタリア
準優勝:西ドイツ
3位:ポーランド
4位:フランス

得点ランキング

1. パオロ・ロッシ(イタリア)6得点
2. カール=ハインツ・ルンメニゲ(西ドイツ)5得点
3. ジーコ(ブラジル)4得点
3. ズビグニェフ・ボニエク(ポーランド)4得点
5. パウロ・ロベルト・ファルカン(ブラジル)3得点
5. アラン・ジレス(フランス)3得点
5. ラースロー・キッシュ(ハンガリー)3得点
5. ジェリー・アームストロング(北アイルランド)3得点

1986年 メキシコ大会

この大会はマラドーナの活躍によりアルゼンチンが優勝。
準々決勝の対イングランド戦では有名な「神の手ゴール」や、5人抜きをきめた。同時代には横浜マリノスでプレイしていた左足の名手ラモン・ディアスもいたがマラドーナと仲が悪く、マラドーナ中心でチームが作られたいたので、代表に呼ばれる事はなかった。

決勝戦 1986年6月29日 会場:エスタディオ・アステカ

アルゼンチン 3-2 西ドイツ
23′ ブラウン
55′ バルダーノ
83′ ブルチャガ
  74′ ルンメニゲ
80′ フェラー

順位

優勝:アルゼンチン
準優勝:西ドイツ
3位:フランス
4位:ベルギー

得点ランキング

1. ゲーリー・リネカー(イングランド)6得点
2. ディエゴ・マラドーナ(アルゼンチン)5得点
2. カレカ(ブラジル)5得点
2. エミリオ・ブトラゲーニョ(スペイン)5得点
5. ホルヘ・バルダーノ(アルゼンチン)4得点
5. プレーベン・エルケーア・ラルセン(デンマーク)4得点
5. アレッサンドロ・アルトベッリ(イタリア)4得点
5. イーゴリ・ベラノフ(ソビエト連邦)4得点

1990年 イタリア大会

ベッケンバウアーが監督として指揮した西ドイツが圧倒的な強さで優勝。クリンスマン、マテウス、ブレーメ、リトバルスキー、コーラー、ブッフバルトなどがメンバーに名を連ねた。名前を見る限り弱いわけがない。。オランダ代表はEURO88の優勝メンバーであるフリット、ファン・バステン、ライカールト、クーマンなどいたが、1勝もあげることなく大会を退いた。ジュビロに在籍していたファネンブルグもいましたね。

決勝戦 1990年7月8日 会場:スタディオ・オリンピコ

西ドイツ 1-0 アルゼンチン
85′ ブレーメ(PK)  

順位

優勝:西ドイツ
準優勝:アルゼンチン
3位:イタリア
4位:イングランド

得点ランキング

1. サルヴァトーレ・スキラッチ(イタリア)6得点
2. トマーシュ・スクラビー(チェコスロバキア)5得点
3. ゲーリー・リネカー(イングランド)4得点
3. ローター・マテウス(西ドイツ)4得点
3. ロジェ・ミラ(カメルーン)4得点
3. ミチェル(スペイン)4得点
7. アンドレアス・ブレーメ(西ドイツ)3得点
7. ユルゲン・クリンスマン(西ドイツ)3得点
7. ルディ・フェラー(西ドイツ)3得点
7. デビッド・プラット(イングランド)3得点

1994年 アメリカ大会

決勝戦ブラジル対イタリアの試合は延長でも決着がつかずPK戦までもつれこんだが、イタリアはバレージ、マッサーロ、バッジョが外して優勝はブラジルの手に。
PKを外したバレージの涙とロベルト・バッジオの後ろ姿は印象的でした。

アメリカ大会は、他にもいろいろ事件が起こりました。
アメリカ戦でオウンゴールをしてしまったコロンビア代表エスコバルは帰国後に射殺され、大会前ですが、ロマーリオの父親は誘拐され、マラドーナはナイジェリア戦後のドーピング検査で引っかかり残りの試合出場停止。
と、曰く付きの大会となってしまった。日本は「ドーハの悲劇」で初出場ならず。

決勝戦 1994年7月17日 会場:ローズボウル

ブラジル 0-0 イタリア
3-2
(PK)
×マルシオ・サントス
○ロマーリオ
○ブランコ
○ドゥンガ
  ×バレージ
○アルベルティーニ
○エヴァーニ
×マッサーロ
×ロベルト・バッジオ

順位

優勝:ブラジル
準優勝:イタリア
3位:スウェーデン
4位:ブルガリア

得点ランキング

1. フリスト・ストイチコフ(ブルガリア)6得点
1. オレグ・サレンコ(ロシア)6得点
3. ロマーリオ(ブラジル)5得点
3. ロベルト・バッジョ(イタリア)5得点
3. ケネト・アンデション(スウェーデン)5得点
3. ユルゲン・クリンスマン(ドイツ)5得点
7. ガブリエル・バティストゥータ(アルゼンチン)4得点
7. フロリン・ラドチョウ(ルーマニア)4得点
7. マルティン・ダーリン(スウェーデン)4得点

1998年 フランス大会

優勝は開催国のフランスがワールドカップ初制覇。ジダン、ジョルカエフ、プティ、ピレス、デシャン、ブラン、テュラム、リザラスなど錚々たるメンバー構成でした。決勝もブラジル相手に3-0で圧勝。

アルゼンチン対イングランドの試合では、シメオネに後ろからタックルを受けたベッカムが審判の前で報復攻撃をして一発レッドで退場。そしてPK戦の末イングランドは敗退。ベッカムは戦犯として激しく批判を受けた。その後2年くらいは活躍してもブーイングを浴び続けた。この借りは次の大会で返すことになる。

岡野のスライディングシュート(ジョホールバルの歓喜)でワールドカップ初出場を果たした日本代表でしたが、結果は3連敗。カズ、北沢も直前で代表外されたり、、

日本代表ワールドカップ初ゴールは中山雅史。ロペスの折り返しをボレーシュートでした。

決勝戦 1998年7月12日 会場:スタッド・ド・フランス

ブラジル 0-3 フランス
  27′ ジダン
45+1′ ジダン
90+3′ プティ

順位

優勝:フランス
準優勝:ブラジル
3位:クロアチア
4位:オランダ

得点ランキング

1. ダヴォール・シューケル(クロアチア)6得点
2. ガブリエル・バティストゥータ(アルゼンチン)5得点
2. クリスティアン・ヴィエリ(イタリア)5得点
4. ロナウド(ブラジル)4得点
4. ルイス・エルナンデス(メキシコ)4得点
4. マルセロ・サラス(チリ)4得点
7. オリバー・ビアホフ(ドイツ)3得点
7. デニス・ベルカンプ(オランダ)3得点
7. ティエリ・アンリ(フランス)3得点
7. リバウド(ブラジル)3得点
7. ユルゲン・クリンスマン(ドイツ)3得点
7. ベベット(ブラジル)3得点
7. セザール・サンパイオ(ブラジル)3得点

2002年 日韓大会

怪物くんロナウドの大活躍でブラジルが優勝。開催国である日本はベスト16、韓国はベスト4まで勝ち進んだ。韓国はイタリア、スペイン、ポルトガル相手に勝ち進むとは、、すごいですね。優勝よりこっちの方が話題になってしまってました。マルディーニは後頭部を蹴られ、ザンブロッタは臀部にスパイクがささるタックルを受けてもノーファール。いま映像見てもあれはすごい。。。マルディーニは致命傷にならなくて本当によかった。
参考までに、、、http://youtu.be/WrLtiUbk8fI

ちなみにワールドカップ10大誤審のうち5つもこの大会から選ばれています。。。

イタリア戦でゴールデンゴールを決めたアンジョンファンは大会後ペルージャから清水エスパルスに移籍。試合後のアンのコメントにペルージャの会長ガウチが激怒したとか。

前回大会の因縁が残るイングランド対アルゼンチンはベッカムがPKを決めて勝利。ベッカム人気はすごかったですね。東京はソフトモヒカンだらけでした。

決勝戦 2002年6月30日 会場:横浜国際総合競技場

ブラジル 2-0 ドイツ
67′ ロナウド
79′ ロナウド
 

順位

優勝:ブラジル
準優勝:ドイツ
3位:トルコ
4位:韓国

得点ランキング

1. ロナウド(ブラジル)8得点
2. ミロスラフ・クローゼ(ドイツ)5得点
2. リバウド(ブラジル)5得点
4. クリスティアン・ヴィエリ(イタリア)4得点
4. ヨン・ダール・トマソン(デンマーク)4得点
6. ミヒャエル・バラック(ドイツ)3得点
6. パパ・ブバ・ディオプ(セネガル)3得点
6. ペドロ・パウレタ(ポルトガル)3得点
6. ヘンリク・ラーション(スウェーデン)3得点
6. マルク・ヴィルモッツ(ベルギー)3得点
6. ラウル・ゴンサレス(スペイン)3得点
6. イルハン・マンスズ(トルコ)3得点
6. ロビー・キーン(アイルランド)3得点
6. フェルナンド・モリエンテス(スペイン)3得点

2006年 ドイツ大会

前回1次リーグ敗退と不振に終わったフランスが前評判が悪いながらも決勝まで勝ち進んだ。、しかしイタリア相手にPK戦で敗戦。ジダンの頭突きが衝撃的でした。もともと切れやすい性格ではありましたが、審判の前で思いっきりいってましたね。。我慢できなかったのでしょう。この行為がありながらもジダンは大会最優秀選手に選ばれました。

ジーコジャパンは初戦のオーストラリア戦を逆転負け、クロアチアと引き分け、ブラジルに負けと2敗1分で予選敗退が決定。中田英寿はこの大会を最後に現役引退。

決勝戦 2006年7月9日 会場:オリンピアシュタディオン

イタリア 1-1 フランス
19′ マテラッツィ   7′ ジダン(PK)
0-0
(PK)
○ピルロ
○マテラッツィ
○デ・ロッシ
○デル・ピエロ
○グロッソ
  ○ヴィルトール
×トレゼゲ
○アビダル
○サニョル

順位

優勝:イタリア
準優勝:フランス
3位:ドイツ
4位:ポルトガル

得点ランキング

1. ミロスラフ・クローゼ(ドイツ)5得点
2. ロナウド(ブラジル)3得点
2. ジネディーヌ・ジダン(フランス)3得点
2. ティエリ・アンリ(フランス)3得点
2. エルナン・クレスポ(アルゼンチン)3得点
2. マキシ・ロドリゲス(アルゼンチン)3得点
2. ルーカス・ポドルスキ(ドイツ)3得点
2. フェルナンド・トーレス(スペイン)3得点
2. ダビド・ビジャ(スペイン)3得点

2008年 南アフリカ大会

スペインが悲願の初優勝。日本はドイツ大会終了後オシム・ジャパンとして始動するもオシム監督の健康問題により岡田監督が指揮を取った。大会直前の強化試合で負け続け、戦術を守備的に変更。本田が1トップの4-1-4-1。これが功を奏し、オランダには敗れるもののカメルーン、デンマーク相手に勝利。決勝トーナメント1回戦ではパラグアイ相手に延長線でも決着がつかずPKまでもつれるが、3-5で敗戦。ベスト16の壁を超えることは出来なかった。

決勝戦 2010年7月11日 会場:サッカー・シティ・スタジアム

オランダ 0-1 スペイン
  116′ イニエスタ

順位

優勝:スペイン
準優勝:オランダ
3位:ドイツ
4位:ウルグアイ

得点ランキング

1. トーマス・ミュラー(ドイツ)5得点
1. ダビド・ビジャ(スペイン)5得点
1. ヴェスレイ・スナイデル(オランダ)5得点
1. ディエゴ・フォルラン(ウルグアイ)5得点
2. ゴンサロ・イグアイン(アルゼンチン)4得点
2. ローベルト・ヴィッテク(スロバキア)4得点
2. ミロスラフ・クローゼ(ドイツ)4得点
3. ルイス・スアレス(ウルグアイ)3得点
3. ランドン・ドノバン(アメリカ)3得点
3. ルイス・ファビアーノ(ブラジル)3得点
3. アサモア・ギャン(ガーナ)3得点

と、ざっくり振り返ってみましたが、開催国が優勝する確率が高いようですね。
そしてJリーグ黎明期に活躍した選手がけっこういます。カレカ、ドゥンガ、ジョルジーニョ、レオナルド、ジーコ、エドゥー、エムボマ、リトバルスキー、ブッフバルト、ストイコビッチ、ストイチコフ、スキラッチ、ラウドルップなど、、、、日本に来てくれてありがとう。

さて、グループリーグもそろそろ終わりますが、2014年ブラジル大会はどこが優勝するのでしょうか!

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